2025.11.13
クリエイティブ・ブランディング実践
なぜ、あの老舗は生き返ったのか? 成功事例に学ぶ「戦略的リブランディング」の本質
日本には、素晴らしい技術、歴史、そして物語を持つ企業が数多く存在します。しかし、その価値が現代の消費者や市場に十分に届ききっていない、と感じる経営者の方も多いのではないでしょうか。
一方で、時代の変化を捉え、見事にご自身のブランドを再生・活性化させた成功事例も存在します。本記事では、関西を代表する2つの老舗事例を分析し、その成功の本質を探ります。
事例1:「核」の再定義で、伝統を未来の価値へ【薫玉堂】
1594年(文禄三年)創業、日本最古の御香調進所である「薫玉堂」。
彼らは長年、寺院向けの仏前線香などを手掛けてきました。しかし、ライフスタイルの変化と共に、仏前線香の需要は減少傾向にありました。
この課題に対し、彼らが行ったのは単なる「商品のデザイン変更」ではありませんでした。コンサルティングパートナー(中川政七商店)と共に、自社の核となる資産、すなわち「伝統の調香技術」を見つめ直し、それを「現代の暮らしに合う和の香り」として再定義したのです。
その結果、伝統の香りを活かしつつ、線香だけでなくハンドクリームや石けんといった、現代のライフスタイルに寄り添う商品を次々と開発。これは、自社の本質的な価値(=核)を見極め、それを現代の市場に合わせて「事業」そのものを再構築した、まさしく「戦略的リブランディング」の好例です。

事例2:「接点」の再活性化で、ブランド鮮度を高める【よーじや】
「あぶらとり紙」で確固たる地位を築く、京都の老舗「よーじや」。
彼らは、その強力なブランド資産に安住することなく、積極的にブランドを「活性化」させる戦略をとっています。2025年には60年ぶりにロゴマークを刷新し、新たに「よじこ」というキャラクターを誕生させました。
特筆すべきは、巧みなコラボレーション戦略です。例えば、「靴下屋」や「OSAMU GOODS」といった異業種と組むことで、既存顧客には「遊び心」や「意外性」を提供し、同時に新しい顧客層にブランドを知ってもらう「新しい接点」を生み出しています。
さらに、「ナイトルーティン」という新しい使用シーンに着目した新シリーズ「ねむり」 の開発は、既存の枠組みを超えた価値提案であり、ブランドの奥行きを深めています。これは、確立されたブランド資産を活用しつつ、現代の消費者に合わせてブランドとの「接点」を増やし、再活性化し続ける「ブランド・アクティベーション」の優れた事例と言えるでしょう。

成功の鍵は「戦略」と「実行」の両輪
これらの成功に共通するのは、「戦略(何をすべきか)」と、それを高品質に実現する「実行(どう見せるか)」が、一気通貫で設計されている点です。
薫玉堂の事例は、事業の核を見極める「戦略的リブランディング」
よーじやの事例は、ブランドの鮮度を保ち続ける「ブランド活性化」
どちらも、表面的なデザインの刷新に終始していたら、決してここまでの成功は収めていなかったでしょう。
私たち合同会社manoは、大阪を拠点に、事業の根幹からブランドを構築する「戦略性」と、現代の消費者に響く「クリエイティブ実行力」を併せ持つ、デザイン経営プロデュース会社です。
「自社の価値を、どう再定義し、どう届ければよいか」
表面的なデザイン提案ではない、事業の成功にコミットするパートナーをお探しの経営者様は、ぜひ一度お声がけください。
