2025.08.19

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伝統を未来へ結ぶ、物語のデザインー春日神社 授与品開発ー

神社の授与品開発は、単にものを作るだけでなく、人々の祈りやその土地の物語に寄り添う大切な開発です。豊中市宮山町にある春日神社とのプロジェクトでは、神社の伝統を大切にしながら、現代の人の心に響く新しい授与品づくりを目指しました。それは、過去と今、そして神社と参拝者を「結ぶ」デザインを見つける道のりでした。

このプロジェクトから生まれた授与品、神社の新しいシンボル「鎹烏(かすがいがらす)のちゃーちゃん」と、日本の伝統美と祈りを合わせたお守り「水引守り 色結び」についてご紹介します。

新しいシンボルの誕生「鎹烏ちゃーちゃん」

神社の「御加護」といった目に見えないものを親しみやすく伝えるため春日神社だけの特別な存在、「鎹烏ちゃーちゃん」は生まれました。

実は、このキャラクターには心温まる実話があります。モチーフになったのは、春日神社の宮司様が実際に助けた一羽の烏。怪我をした烏を自宅で世話していると、不思議と幸運な出来事が続いたそうです。この「幸運を運ぶ烏」のエピソードが、人々と幸せを結ぶキャラクターを作る大きなヒントになりました。

名前に込められた意味

「鎹烏ちゃーちゃん」の個性は、その名前に込められています。

  • 鎹(かすがい): 物と物を繋ぐ金具から着想を得て、人と安全、神社と参拝者を固く結びつける存在としての役割を定義しました。

  • 烏(からす): 日本神話で神の使いとしても知られる八咫烏(やたがらす)などを背景に、キャラクターに神聖さと尊敬の念を宿らせました。

  • ちゃーちゃん: 「ちゃんと見守る」という温かなメッセージを込めた親しみやすい愛称で、あらゆる世代との感情的な繋がりを築きます。

この丁寧な設計により、「鎹烏ちゃーちゃん」は単なるマスコットではなく、春日神社の物語を伝え、今後の様々な活動の起点となる可能性を秘めたシンボルとなりました。

物語を広げる授与品たち

キャラクターという個性を軸に、参拝者の思い出に残るような授与品を開発しました。「ちゃーちゃん」という共通のシンボルが、それぞれの授与品をつなげ、一貫した体験を生み出します。

交通安全ステッカー:動く、安全のしるし

円形の交通安全ステッカーは、持ち主だけでなく、周りのドライバーにも安全運転を意識してもらう「動くシンボル」です。親しみやすいちゃーちゃんの姿が「ちゃんと見守っているよ」という優しいメッセージを伝え、ただのお守りとしてだけでなく、社会の安全意識に働きかける役割も持っています。

鎹烏みくじ:愛される伝統の革新

人気を集める立体的なおみくじの形に、「鎹烏ちゃーちゃん」の個性を融合。参拝者は吉凶を占うだけでなく、持ち帰りたくなる愛らしい記念品として、神社での特別な体験を日常の中に長く留めることができます。おみくじをきっかけにステッカーに興味を持つなど、各製品が互いの魅力を高め合い、参拝者と神社との絆を多角的に深めていきます。

願いを形に。「色結び」というコンセプトの水引守り

もう一つの柱が、水引を使ったお守りの開発です。ここでは単に美しい工芸品を作るのではなく、その背景にある想いを「色結び(いろむすび)」という新しいコンセプトにまとめました。

「色」と「結び」に込めた想い

「色結び」の中心にあるのは、昔から日本人が大切にしてきた「結び」という行為と、「色」が持つ意味を組み合わせるアイデアです。「人と人を結ぶ」といった深い意味を持つ「結び」の力と、赤は魔除け、金は繁栄といった色が持つイメージを合わせることで、祈りの形をより豊かに表現しました。

「色結び」四種の輝き

「色結び」という考え方のもと、参拝者の多様な願いに応える四種類のお守りが生まれました。それぞれが、その土地ならではの物語と色彩を反映した、丁寧なストーリーを持っています。

  • 清祈虹守(せいきにじまもり): 白の清らかさと虹色の希望が、純粋な願いが天に届く様を表現。梅結びが「固い絆」「魔除け」「運命向上」の力で後押しします。

  • 三彩守護(さんさいしゅご): 春日神社のコバノミツバツツジ(紫)、鎮守の森(緑)、神々の御心(白)から着想を得た三色が、人生に調和と安定をもたらします。

  • 朱炎祈守(しゅえんきしゅ): 神聖な力を持つ「朱」と情熱の「赤」が、恋愛成就や困難に立ち向かう活力を与え、力強く願いを後押しします。

  • 金運招守(きんうんしょうしゅ): 成功と繁栄の象徴である「金」と希望の「黄」が、金運を招き寄せ、持ち主の道を明るく照らし出します。

春日神社の授与品開発では、デザインが物語を生み、人との関係を築くための大切な方法であることを改めて実感しました。「鎹烏ちゃーちゃん」というシンボルと、「色結び」というコンセプトは、単に美しい製品という以上の価値を持っています。これらは、神社と地域、そして人々の願いと神様を繋ぐ「器」のような存在です。このプロジェクトで生まれた新しい繋がりが、神社の伝統を未来へと豊かに受け継いでいくための、大切な一歩となることを願っています。

CLIENT: 春日神社(豊中市 宮山町)

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