2026.03.02
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目薬ボトルをサングラスに。ロート製薬社内ベンチャー創業支援
廃プラを素材にしたアイウエアブランド。理念は明確。ただ、理念だけでは売れない。
ロート製薬の社内ベンチャー制度「明日ニハ」から生まれたeyeforthreeは、目薬ボトルの廃プラスチックをアップサイクルしたサングラスや眼鏡を展開するD2Cブランドです。売上の10%はインドの白内障手術支援に充てられます。manoが関わったのは、そのブランドの創業期からでした。
創業支援 ── 会社を「作る」ところから、一緒に
代表の長岡里奈さんが持っていたのは、学生時代のインドでの原体験と、ロート製薬の商品企画担当として目の当たりにした廃プラスチック問題、そしてその二つを結びつけたアイデアでした。ただ、アイデアをブランドとして、そして会社として成立させるには、別の設計が必要です。
manoの支援は、ブランド戦略の前段階から始まっています。
まず取り組んだのは、法人格の選択です。株式会社か、合同会社か。資金調達の方法、意思決定の構造、将来的な事業拡張の可能性、そして社内ベンチャーという特殊な立場との相性。それぞれの違いを整理しながら、eyeforthreeの事業モデルに合った形を一緒に検討しました。最終的に合同会社(LLC)という選択に至ったのは、意思決定のスピードと運営コストの観点から、創業期のブランドとして現実的な判断でした。
あわせて、会計士をはじめとする士業の紹介も行いました。創業期に必要な専門家との接続は、後の事業運営の土台になります。ブランドの方向性を決める議論と並行して、法務・財務の基盤を整える動きも同時に進めました。
ブランド戦略 ── 「社会に良い」を、「欲しい」に変える設計
会社の器が整ったところで、次はブランドの骨格を作る作業に入りました。
manoが最初に取り組んだのは、ブランドの「伝わる順番」の整理です。eyeforthreeが持つストーリーは豊かです。廃プラのアップサイクル、インドの失明問題、白内障と紫外線の関係、ロート製薬の技術背景。しかしそれらを正面から並べると、説明が先行し、商品への興味が後回しになってしまいます。manoはこの順番を逆にすることを提案しました。まず「かっこいい」「欲しい」があり、手に取った後からストーリーが伝わる情報設計へ。
あわせて、ターゲットの解像度を上げる作業も行いました。サステナブルに関心のある層だけを狙うのか、ファッションとして普通に選ばれるブランドを目指すのか。この方向性の違いは、デザインの方針から価格帯、販売チャネルまで、あらゆる意思決定に影響します。eyeforthreeが「エコっぽさ」に寄りすぎず、アイウエアブランドとして自立できるよう、コンセプトの軸を一緒に定めました。

クリエイティブ支援 ── ファッションアイテムとして成立させるビジュアル設計
ブランドロゴ、パッケージ、全体のビジュアルトーン。manoが担ったクリエイティブの範囲は広いです。
ロゴには「視界」と「循環」のニュアンスを込めました。サステナブルブランドに多いクラフト感やアースカラーの表現は意図的に避け、日常的に身につけたくなるアイウエアブランドとしての洗練を優先しています。eyeforthreeのコンセプトである「①自分の目 ②あの子の目 ③地球」という三つの視点を、説明ではなく視覚で体現することを目指しました。
パッケージは、開封体験そのものをブランドのストーリーとして設計しています。廃プラから生まれた商品であることは、箱を開けた後に自然と伝わる構成にしました。素材の背景やインド支援の文脈は、手に取った後から届けばいい。その判断がビジュアル全体の方針を決めています。
フレームは塗装を施さない仕様のため、使用後の回収・再リサイクルが可能です。この機能的な特性も、ブランドの誠実さとして伝わるよう、コミュニケーション設計に組み込みました。

